start. OTSオリジナル作品インタビュー【公開中】
No.1 吉野壱郎インタビュー【公開中】
No.2 福田建太インタビュー【公開中】
No.3 吉留諒インタビュー【公開中】
No.4 愛澤佑樹インタビュー【公開中】
No.5 大藤明礼生インタビュー【公開中】
No.6
No.7
No.8
No.9
いよいよ本番まで1カ月を切った6月24日の「Dance Festival.Vol7」。
今回はON THE STAGE5周年のスペシャルプレゼンツとして、登録講師・愛澤佑樹さんの初振付作品「ON THE STAGE~Symphony~」を選りすぐりのダンサー5人が踊ります。熱気あふれるリハーサル稽古が順調に進む中、振付の愛澤さんをはじめとする出演者5人にお話を伺いました。
取材・文/郡司真紀(フリーライター)
左から:吉野壱郎、吉留諒、愛澤佑樹、大藤明礼生、福田建太
――稽古中の踊りを見せていただきましたが、男性ダンサー5人で迫力ある作品になっていますね。愛澤さんはどのようなイメージで振付されたのでしょうか?
愛澤佑樹(以下愛澤):ビゼーの「アルルの女」の1曲を使用しているのですが、この曲を聴いたときにまず演奏会みたいにしたいなと思ったんですね。そして今回は男性だけで踊るので、“男のパッション”を見せたいなと思いました。振付はずっと前からやりたいなと思っていて、かおりさんにも相談していたんです。それで今回、5周年記念の振付作品のお話をいただいて、やってみようと思ったんですが、実際にやってみると、振付もして自分も踊るというのは大変! 前から全体を見るだけの、振付に徹しておけばよかった、と思うくらいきついです(笑)。
――5人のダンサーそれぞれの役割や、どんな風に踊って欲しいなどはありますか?
愛澤:僕が指揮者で、ほかの4人は演奏者という1対4の踊りになっています。演奏者は一応バイオリンなどの弦楽器をイメージしてはいますが、音によってそれぞれが好きな楽器を弾いているようにしてもいいと思って、あとは個々の感受性に任せています。3分ちょっとの短い作品ですが、とにかくきつい踊りです。みんなカンパニーに所属していたり、フリーだったり活躍している人たちなので、振りのベースは僕が作りますが、プラスαの部分はダンサーに任せています。自分が思ったように踊って欲しいので、僕が言うのはニュアンスの部分ですね。
――では、演奏者のみなさん、愛澤さん振付の作品を踊ってみていかがですか? また自分のイメージしている楽器はありますか?
福田建太(以下福田):僕はもう与えられた振りを一生懸命やるというのが一番ですね。そしてコンセプトが「演奏会」なので、踊っている僕たちから音符が見えたらいいなと思います。まだ自分がどんな楽器か、というのは模索中です。踊ってみると、楽しいけどきついですね。すごく難しいテクニックは少ないんですけど、踊りって組み合わせで難しくなるんだなと感じました。
吉野壱郎(以下吉野):クラシックの音楽なんですけど、クラシックバレエとはまた別の、クラシカルな男のかっこよさ、エレガントさを表現しやすい踊りだと思います。男のセクシーさ、美しさを出せて、なおかつメロディーと一緒になるのが楽しいですね。とりあえず「ザ・イケメン」みたいなイメージなので、僕はすごい好きです!
一同:(笑)
吉野:楽器は、強いて言うならバイオリンかクラリネットかな。
吉留諒(以下吉留):男性だけで舞台に立つというのがめったにない機会なので、それを楽しんで踊ろうと思っています。それと、愛澤さんが考えている完成形の理想の踊りに自分が少しでも近づけるように、これから質を高めていきたいと思っています。男性だけで踊るのは迫力とかエネルギッシュさが違いますね。踊っていて、他のみなさんからエネルギーが伝わってくるので、お互いに高めあえる感じがします。僕は、弦楽器の中でも大きな楽器だったらどんな風に見えるか、小さな楽器だったらどう見えるか、というのを考えながら決めていこうと思っています。
大藤明礼生(以下大藤):それぞれ違うところでやっている男性5人が集まって踊る機会はなかなかないですし、男性だけで作る作品という機会に恵まれることもなかなかないので、すごく楽しんでやらせていただいています。踊りはかなりきついですが、完成形はすごいかっこいいだろうなと思いながらやっています。佑樹さんがおっしゃっていたように、ベースがあって、プラスαのそれぞれのカラーが出せるようにがんばれたらなと思います。踊っているときは具体的にこの楽器、とはあまり思っていなくて、自分がイメージする弦楽器の雰囲気が出て、それがお客さんに伝わればと思っています。
――今回、新作を披露することについて、今はどんな心境でしょうか?
愛澤:もうワクワクしかないですね。完成形を目指して、出来たときはワクワク、それがまたお客さんにどう映るのかもワクワク。ずっとドキドキワクワクしています!
大藤:佑樹さんが作っている姿を見て、すごく楽しそうだなと思って見ています。僕もいつか振付はやってみたいと思いますね。
――今回の作品について、それぞれ自分のこんなところを見て欲しい、またキャッチフレーズなどがあれば披露してください。
一同:えー!?(笑いながらざわつく5人)
愛澤:僕はつねにキャッチフレーズは“ラブ&パッション”です! それをベースにいつもやっています。
福田:今回はオーケストラで、男性4人が揃った踊りにしなきゃいけないので、自分というより、みんなで一丸となって一緒にものを作るというのを大事にしています。キャッチフレーズ……難しいな。でも僕がいつも思っているのは、“今を一生懸命やる”ということですね。
吉野:佑樹さんが真ん中で踊られて、まわりが揃っている美しさ、また曲に合わせることを目指したいですね。やっぱり揃えるという意味で、テーマは……うーん、「ONE PIECE」ですかね(一同笑)。「ONE PIECE」のように“心を1つに!”ですね
吉留:ダンサーが1人で踊るのとはまた別に、何人かで同じ踊りをして揃っているというのもまたバレエの魅力だと思うので、そこに磨きをかけたいですね。僕は小さい頃から“舞台上で一番楽しんでやる”というのを心がけてやっているつもりなので、今回も一番楽しんで踊れるようにしたいと思います」
大藤:今、みんなの話を聞いて、やっぱり揃えるということに関して同じ考えを持っていたんだな、と思いました。ふだんは女性のほうが揃える動きは多いので、男性が揃えること、ましていろいろな動きがある中で揃えるのは難しいんですけど、それをみんなが一緒にやろうとしているんだなというのを感じました。僕は、お客さんの心に響いて、少しでも心を動かす舞台になったらなと思います。
――最後に、代表して愛澤さんからこの作品への意気込みを教えてください。
愛澤:僕はこの作品はとにかく“パッション”だと思っています。男5人のエネルギー、男性のかっこよさを音楽と一緒に見ていただきたいですね。チラシにもある通り“鍛え上げられた肉体が奏でる美しい音楽の世界”を楽しんでください(笑)。中でも最後の30秒くらいはもう本当に追い込みできついです。でもそこがビシッと決まればすごくかっこいい作品になると思うので、期待していてください!
一同:がんばります!
「Dance Festival.Vol7」第3部の最後を華やかに飾るこの作品、ぜひご期待ください!